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職場のハラスメント予防基礎検定 学習ページ
このページでは、職場のハラスメントを予防するために必要な基礎知識を、2026年現在の法令・指針や職場環境に合わせて学びます。パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児・介護休業等に関するハラスメント、カスタマーハラスメント、相談対応などについて、単に用語を覚えるのではなく、実際の職場でどのように考え、行動すればよいかを確認します。
本ページは、個別の事案について「法律上ハラスメントに該当する」「違法である」「懲戒処分をすべき」と判定するためのものではありません。実際の判断では、具体的な言動、業務上の必要性、関係性、経緯、頻度・継続性、就業環境への影響などを確認する必要があります。本検定では、ハラスメントを防ぐための基本的な知識と、職場で求められる対応を中心に学びます。
この学習ページで確認すること
職場で「嫌だった」「言い方がきつかった」と感じる出来事があっても、それだけで法律上のハラスメントに該当するとは限りません。一方で、法律上の定義に該当するか確定していない段階でも、職場環境を悪化させる言動を放置してよいわけではありません。まずは何が起きているのかを整理し、必要に応じて相談・確認・改善につなげることが大切です。
ハラスメント対策は当事者だけの問題でもありません。事業主には、方針の明確化と周知、相談体制の整備、相談後の事実確認、被害者への配慮、行為者への適切な対応、再発防止、プライバシー保護など、法律や指針に基づく措置が求められています。2026年8月現在、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児・介護休業等に関するハラスメントについて防止措置が義務付けられており、2026年10月1日からはカスタマーハラスメントと求職者等に対するセクシュアルハラスメントについても事業主の防止措置が義務となります。
種類ごとの定義や判断の考え方を区別する
問題が起きる前に、言動・指導・職場環境を見直す
相談を軽視せず、必要な窓口や担当者につなぐ
事実確認、被害者への配慮、再発防止を組織で行う
この検定で大切にする考え方
「厳しく注意したからパワハラ」「相手が嫌がったからすべてハラスメント」「顧客が怒ったからカスハラ」のような単純な判断はしません。何が起きたのか、なぜその言動が行われたのか、業務上の必要性はあったのか、方法や程度は相当だったか、就業環境にどのような影響があったのかを整理して考えます。
この学習ページと試験問題の関係
職場のハラスメント予防基礎検定は、この学習ページで説明している内容を基本に出題します。試験では、法律名や用語を暗記しているかだけではなく、「なぜその対応が適切なのか」「似ている二つの場面をどこで区別するのか」を理解しているかを確認します。
そのため、このページでは、試験で判断材料となる定義・要件・代表例・例外・相談対応の流れをできるだけ具体的に説明します。個別の裁判結果や、このページに説明のない細かな法律知識を暗記しなければ解けない問題は、基礎検定の出題内容とはしません。
1. ハラスメント予防の基本
ハラスメント対策は職場全体の課題です
ハラスメントは、被害を受けた人の心身に負担を与えるだけでなく、周囲の人にも不安や緊張を生み、職場のコミュニケーション、業務効率、人材定着、組織への信頼などに影響します。そのため、「本人同士で解決すればよい」「個人的な相性の問題」として片付けるのではなく、職場環境の問題として考える必要があります。
行為者に悪意がなかったことだけで、問題がなくなるわけではありません。反対に、相手が不快に感じたという事実だけで、すべての言動が法律上のハラスメントになるわけでもありません。ハラスメントの種類によって法律上の要件があり、具体的な状況を確認して判断します。
「不快だった」と「法律上のハラスメント」は同じではありません
たとえば、仕事上必要な注意を受けて不快に感じたとしても、その注意が業務上必要で、方法や程度も相当であれば、パワーハラスメントとはいえません。一方、注意する必要がある場面でも、人格を否定する暴言を繰り返す、見せしめのように長時間責め続けるなど、業務上必要な範囲を超える方法が使われれば問題となる可能性があります。
この違いを理解するためには、「言われた人がどう感じたか」だけでなく、同じ状況に置かれた一般的な労働者ならどう受け止めるか、業務上の目的や必要性があるか、言動の方法・程度は相当か、といった客観的な視点も必要です。
回数だけで「該当する・しない」を決めません
言動の頻度や継続性は重要な判断材料ですが、「一回なら問題にならない」「何回以上なら必ずハラスメントになる」といった一律の回数基準があるわけではありません。厚生労働省が示す例の中には「繰り返し」という条件が付いているものもありますが、例と少し違うだけで直ちに該当・非該当が決まるわけではなく、言動の目的、経緯、態様、頻度・継続性、受けた苦痛の程度などを総合的に確認します。
たとえば、一度の言動であっても暴行のように重大な行為であれば、回数が少ないことだけを理由に軽く扱うことはできません。一方で、一度の軽微な言い間違いや意見の食い違いがあったという事実だけで、法律上のハラスメントと確定することもできません。重要なのは「何回だったか」だけではなく、何が、どのような状況で行われたかです。
「職場」は会社の建物の中だけではありません
ハラスメント対策でいう「職場」には、通常勤務する事業所だけでなく、出張先、取引先、業務で使用する車内など、労働者が業務を行う場所も含まれます。勤務時間外の懇親会や社員寮、通勤中などでも、実質的に職務の延長と考えられる場合には職場として扱われることがあります。判断するときは、仕事との関連性、参加が任意か事実上強制か、参加者などを確認します。
現在の職場では、メール、ビジネスチャット、オンライン会議、社内SNSなどでの言動も重要です。「直接会って言っていないから問題にならない」ということではありません。仕事との関係があれば、オンライン上の言動も職場環境へ影響します。
事業主に求められる基本的な防止措置
職場のハラスメントを防ぐため、事業主には、ハラスメントの内容や禁止方針を明確にし、労働者へ周知・啓発すること、相談窓口を設けて適切に対応できる体制をつくることなどが求められています。問題が起きた後も、相談を受けて終わりではありません。
- ハラスメントを行ってはならないという方針を明確にし、周知する
- 行為者へ厳正に対処する方針や内容を定め、周知する
- 相談窓口を設置し、相談へ適切に対応できるようにする
- 相談後は事実関係を迅速かつ正確に確認する
- 被害を受けた人へ必要な配慮を行う
- 事実が確認された場合は、行為者へ適切な措置を行う
- 問題が確認できなかった場合も含め、必要に応じて再発防止策を検討する
- 当事者や関係者のプライバシーを守る
- 相談したことや事実確認に協力したことを理由に不利益な取扱いをしない
「法的に確定してから相談」ではありません
相談する人が「これはパワハラの3要素を満たしている」と自分で証明してから相談する必要はありません。ハラスメントに該当するか分からない段階でも、困っている言動があれば相談できます。相談窓口側も、該当するか微妙な事案を含めて広く相談へ対応することが大切です。
復習問題
Q1. 職場のハラスメントについての説明として、正しいものはどれですか。
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正解:3
不快感や悪意の有無だけでは判断できません。言動の内容、関係性、業務上の必要性、方法、頻度、就業環境への影響などを確認します。
Q2. 「職場」の考え方として、誤っているものはどれですか。
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正解:1
職場は会社の建物だけではありません。労働者が業務を遂行する場所や、実質的に職務の延長と考えられる場も含まれることがあります。
Q3. ハラスメント相談について、正しいものはどれですか。
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正解:2
相談時点で法的な該当性を確定させる必要はありません。相談後に必要な事実確認を行い、適切な対応を検討します。
2. パワーハラスメントを防ぐ考え方
職場のパワーハラスメントは3つの要素をすべて満たすもの
職場のパワーハラスメントは、①優越的な関係を背景とした言動であること、②業務上必要かつ相当な範囲を超えていること、③その言動によって労働者の就業環境が害されること、という3つの要素をすべて満たすものとされています。客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は、パワーハラスメントには該当しません。
①「優越的な関係」は役職だけでは決まりません
上司から部下への言動は典型例ですが、「上司だから必ず優越的」「同僚や部下だから該当しない」と考えるわけではありません。業務に必要な専門知識を持つ同僚の協力がなければ仕事が進められない場合や、複数の同僚・部下から集団で言動を受け、抵抗や拒絶が難しい場合なども、優越的な関係を背景とした言動となることがあります。
②「業務上必要かつ相当な範囲を超える」とは
仕事の目的に必要性がない言動や、必要性はあっても方法や程度が相当でない言動を考えます。たとえば、重大なミスについて厳しく注意する必要がある場面はありますが、そのために人格を否定する、仕事と関係のない家族まで侮辱する、必要以上に長時間責め続けるといった方法まで正当化されるわけではありません。
判断では、言動の目的、問題行動の有無や内容、経緯、業種や業務の性質、言動の態様、頻度・継続性、本人の状況などを総合的に考えます。そのため、同じ「強い注意」でも、危険を止めるために一時的に大声で制止した場面と、日常的に人格を傷つけるため怒鳴り続ける場面では意味が異なります。
③「就業環境が害される」とは
言動によって労働者が身体的または精神的な苦痛を受け、職場が不快なものとなったために、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、働く上で看過できない程度の支障が生じることをいいます。本人が嫌だったかどうかだけでなく、その言動の内容や程度、仕事への影響などを確認します。
パワハラの3要素は別々に確認する
「上司から言われた」だけでは3要素はそろいません。優越的な関係を背景としていたか、業務上必要かつ相当な範囲を超えていたか、その結果として就業環境が害されたかをそれぞれ確認します。反対に、同僚や部下からの言動でも、抵抗・拒絶が難しい関係を背景としている場合には第1の要素を満たすことがあります。
代表的な6つの行為類型
厚生労働省の指針では、代表的な言動を6類型に整理しています。これは「6つのどれかに見えれば必ずパワハラ」という一覧ではありません。また、この6類型以外なら問題がないという意味でもありません。3つの要素と具体的な事情を確認します。
1. 身体的な攻撃
殴る、蹴る、物を投げつけるなどの暴行・傷害が代表例です。仕事上の注意が必要だったとしても、身体的な攻撃まで業務上必要な指導として正当化されるものではありません。
2. 精神的な攻撃
脅迫、侮辱、名誉を傷つける発言、ひどい暴言などです。「この作業には修正が必要です」と仕事の問題を指摘することと、「お前は人間として価値がない」など人格そのものを攻撃することは区別して考えます。
3. 人間関係からの切り離し
隔離、仲間外し、無視などが代表例です。ただし、業務上合理的な理由があって一時的に担当チームを変更することまで直ちにパワハラになるわけではありません。嫌がらせ目的で孤立させているのか、業務上の必要な配置なのかを確認します。
4. 過大な要求
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害などです。「仕事量が多い」というだけで自動的に過大な要求になるわけではありません。業務の必要性、本人の能力・経験、期限、教育や支援の有無などを確認します。
5. 過小な要求
業務上の合理性なく、能力や経験から大きくかけ離れた低い仕事だけを命じたり、仕事を与えなかったりすることです。一方、ミスが続いた人に一時的に業務範囲を限定し、再教育や確認を行うなど合理的な目的がある対応まで、一律に過小な要求になるわけではありません。
6. 個の侵害
私生活や個人情報など、私的なことに過度に立ち入る行為です。緊急連絡先など業務上必要な情報を適切な方法で確認することと、恋愛関係、家庭事情、性的指向・性自認などについて必要なく執拗に聞き出すことは区別します。
指導するときは「人」ではなく「仕事上の行動」を伝える
パワーハラスメントを避けるために、必要な指導まで控える必要はありません。指導では、何が問題だったのか、仕事上なぜ改善が必要なのか、次にどうしてほしいのかを具体的に伝えることが基本です。「だらしない人だ」「仕事ができない人だ」のように人そのものを評価・攻撃するのではなく、「提出期限を過ぎた」「確認せず送信した」など、実際の行動に焦点を当てます。
- 目的:何を改善するための指導なのかを明確にする
- 事実:印象ではなく、問題となった行動や結果を具体的に示す
- 方法:必要以上に大勢の前で責め続けるなど、目的に比べて過度な方法を避ける
- 改善方法:次回どう行動すればよいかを具体的に伝える
- 確認:相手が理解できたか、必要な支援や説明が不足していないかを確認する
これは「この5項目を守れば必ずパワハラにならない」という法律上のチェックリストではありません。適切な指導を行うための実務上の考え方として整理したものです。実際の該当性は、パワハラの3要素と個別事情に基づいて判断します。
適切な指導とパワハラの境界を具体例で考える
ケースA:業務上の注意
部下が月次売上表で金額の入力ミスを繰り返したため、上司が個室で「今回、2件の金額が元の売上伝票と違っていました。次回は提出する前に、入力した金額を売上伝票と一件ずつ照合してから提出してください」と伝えた。
考え方:どの作業に問題があったのかと、次回どのように確認すればよいのかを具体的に伝えています。この事実だけを見れば、仕事上必要な改善指導の例として考えられます。ただし、同じ場面で長時間怒鳴る、人格を否定するなど別の言動があれば、その事情も含めて判断します。
ケースB:人格への攻撃
同じミスについて、上司が毎日のように同僚の前で「こんなこともできないなんて人として終わっている」と大声で言い続けた。
考え方:業務上の指導を超えて人格を否定する言動であり、優越的関係や就業環境への影響なども踏まえると、精神的な攻撃として問題になる可能性が高い例です。
ケースC:業務量が多い
繁忙期に担当業務が増えたが、期間が限定され、チームで役割分担し、管理者が進捗を確認しながら必要な支援を行っている。
考え方:仕事量が増えたという事実だけで過大な要求とは判断できません。業務上の必要性、遂行可能性、支援などを確認します。
性的指向・ジェンダーアイデンティティへの侮辱やアウティング
性的指向やジェンダーアイデンティティ(自己の性別についての認識)に関する侮辱的な言動は、パワーハラスメントの3要素を満たす場合には精神的な攻撃に該当します。また、本人の了解を得ずに性的指向やジェンダーアイデンティティを本人の了解なく他人へ明らかにするアウティングは、状況によって個の侵害に該当する場合があります。内容によってはセクシュアルハラスメントにもなり得るため、本人の私的な情報を軽い話題として扱わないことが重要です。
復習問題
Q1. 職場のパワーハラスメントの3要素について、正しいものはどれですか。
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正解:2
3要素をすべて満たすものが職場のパワーハラスメントです。客観的に見て適正な業務指示や指導はパワハラには該当しません。
Q2. 「過大な要求」を判断するときの考え方として、正しいものはどれですか。
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正解:3
仕事量だけで判断するのではなく、業務上の必要性や遂行可能性、教育・支援などの具体的な事情を確認します。
Q3. 次のうち、パワハラ6類型について誤っている説明はどれですか。
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正解:3
6類型は代表的な整理です。パワハラの該当性は3要素と個別事情を踏まえて判断します。
3. セクシュアルハラスメントと求職者等へのセクハラ
職場のセクシュアルハラスメントとは
職場のセクシュアルハラスメントは、職場において行われる労働者の意に反する性的な言動によって、労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されたりすることをいいます。正社員だけでなく、契約社員やパートタイム労働者など、事業主が雇用するすべての労働者が対象です。
行為者は上司や同僚に限りません。事業主、取引先、顧客、患者、学校における生徒などが行為者になる場合もあります。また、男性から女性への言動だけではなく、女性から男性、同性間の性的な言動も対象となります。被害を受ける人の性的指向やジェンダーアイデンティティにかかわらず、性的な言動であればセクシュアルハラスメントとなり得ます。
「性的な言動」とは
性的な事実関係を尋ねること、性的な噂を流すこと、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、個人的な性的体験談を話すことなどが性的な内容の発言の例です。性的な関係の強要、業務上必要がない身体接触、わいせつな画像等を職場で配布・掲示するといった行動も含まれます。
対価型と環境型を区別する
対価型セクシュアルハラスメント
労働者が意に反する性的な言動を拒否・抵抗したことなどを理由に、解雇、降格、減給、契約更新の拒否、不利益な配置転換など、労働条件上の不利益を受けるものです。
環境型セクシュアルハラスメント
意に反する性的な言動によって職場環境が不快なものとなり、仕事をする上で看過できない程度の支障が生じるものです。本人に直接向けた発言でなくても、職場で性的な画像を繰り返し見せるなど、周囲の就業環境を害する場合があります。
結婚・恋愛・容姿の話は全部セクハラなのか
「結婚しないの」「恋人はいるの」といった私生活の話題に触れたことだけで、すべてが法律上のセクシュアルハラスメントになると一律に判断することはできません。一方、性的な事実関係を執拗に尋ねる、交際を断っているのに繰り返し誘う、身体について性的な評価をするなど、性的な言動となり相手の就業環境を害する場合にはセクシュアルハラスメントとなり得ます。
また、法律上のセクハラに該当するかどうかとは別に、仕事と関係のない私生活へ必要以上に踏み込むことは、相手が安心して働く環境を損ねたり、パワハラの個の侵害など別の問題につながったりする場合があります。
「性的な言動」と「単に失礼な発言」は分けて考える
セクシュアルハラスメントを学ぶときは、相手が不快に感じた発言をすべて「セクハラ」と呼ぶのではなく、その言動が性的な内容・性的な行動に当たるかを確認します。性的な内容ではない侮辱や人格攻撃であれば、セクハラではなくパワハラ等として問題になる場合があります。分類名を急いで決めるより、具体的にどのような言動があったかを整理することが重要です。
固定的な性別役割分担意識は背景になり得ます
「女性だからお茶出し」「男性なら力仕事」「女性は結婚したら辞めるもの」など、性別だけを理由に役割や能力を決めつける言動は、セクシュアルハラスメントが起こる背景になる可能性があります。職務の内容や本人の能力とは関係なく、性別で役割を固定しないことが大切です。
2026年10月1日から求職者等へのセクハラ対策が義務化
2026年8月9日時点では施行前ですが、2026年10月1日から、事業主が雇用する労働者による性的な言動によって求職者等の求職活動等が阻害されることを防ぐため、事業主に防止措置が義務付けられます。本検定では、施行日が確定し、指針も公表されているため、この改正内容も学習範囲に含めます。
ここでいう求職者等には、求人への応募者だけでなく、企業の採用に関係する活動への参加者、教育実習や看護実習などの実習を受ける人も含まれます。求職活動等には、採用面接、就職説明会、社員訪問、インターンシップ、教育実習・看護実習などが含まれます。対面だけでなく、オンラインやSNS等を通じて行われるものも対象になり得ます。
事業主には、求職者等へのセクハラを行ってはならない方針を明確にすること、行為者へ厳正に対処する方針を定めること、面談等の求職活動に関するルールをあらかじめ明確にすること、相談窓口を設けて求職者等へ周知すること、相談後に適切な事実確認・対応を行うことなどが求められます。
ケースA:インターンシップ中の性的な冗談
担当社員がインターン参加者に対し、性的な冗談やからかいを繰り返し、参加者が苦痛を感じて活動に集中できなくなった。
考え方:2026年10月1日から義務化される求職者等へのセクハラ対策で、厚生労働省が示している典型的な例の一つです。
ケースB:社員訪問で性的関係を求める
就職活動中の学生が社員訪問をしたところ、社員から性的な関係を求められ、就職活動への意欲が低下した。
考え方:採用活動に関わる立場を利用した性的な言動であり、求職者等へのセクハラとして問題になる例です。
復習問題
Q1. 職場のセクシュアルハラスメントについて、正しいものはどれですか。
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正解:3
同性間も対象です。行為者も上司に限定されず、取引先や顧客などが行為者となる場合があります。
Q2. 対価型セクシュアルハラスメントの例はどれですか。
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正解:1
意に反する性的な言動を拒否・抵抗したことを理由に労働条件上の不利益を受けるものが対価型です。
Q3. 2026年10月1日からの求職者等へのセクハラ対策について、誤っているものはどれですか。
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正解:4
新制度は、採用前の求職者等の求職活動等を性的な言動から守るための対策です。
4. 妊娠・出産・育児・介護休業等に関するハラスメント
上司・同僚によるハラスメントと、事業主による不利益取扱いを分ける
この分野では、「ハラスメント」と「不利益取扱い」を混同しないことが重要です。職場において、上司・同僚から妊娠・出産したことや、育児・介護休業等の制度利用に関する言動を受け、就業環境が害されるものがハラスメントです。
一方、妊娠・出産したことや、育児・介護の制度を利用したことなどを理由として、事業主が解雇、減給、降格、不利益な配置転換、契約更新をしないといった扱いをすることは、「ハラスメント」という分類ではなく、法律で禁止される不利益取扱いの問題です。
例:上司・同僚の言動によるハラスメント
育児休業を申し出た男性社員に上司が「男が育休を取るなんてあり得ない」と言い、取得をあきらめざるを得ない状態にする。
例:事業主による不利益取扱い
育児休業を取得したことを理由として会社がその社員を降格させる。これは「ハラスメント」と呼ぶだけではなく、育児・介護休業法で禁止される不利益取扱いとして考えます。
制度等の利用への嫌がらせ型
育児休業、介護休業、短時間勤務、妊娠中・出産後の健康診査等のための措置など、法律で定められた制度や措置の利用に関する言動によって就業環境が害されるものです。「休むなら辞めてもらう」「男なのに育休を取るのか」など、制度利用を妨げる言動、不利益な取扱いを示唆する言動、制度利用を理由とした嫌がらせなどが問題となります。
状態への嫌がらせ型
女性労働者が妊娠したこと、出産したことなどに関する言動によって就業環境が害されるものです。「こんな忙しい時期に妊娠するなんて迷惑だ」と繰り返し非難するなど、妊娠・出産という状態そのものを理由に嫌がらせをする行為が該当する場合があります。
制度利用について話し合うこと自体がハラスメントではありません
職場では、休業や短時間勤務を利用する人がいる場合に業務分担を調整しなければなりません。業務上の必要性から、制度利用の時期などについて本人へ相談することまでハラスメントになるわけではありません。厚生労働省も、強要しない範囲で業務上の必要性により変更を相談することは、ハラスメントに当たらない例として示しています。
大切なのは、本人へ相談することと、「周囲に迷惑だから取るな」と取得を妨げることを区別することです。業務上の調整を行う場合も、制度を利用する本人だけを責めるのではなく、職場全体の業務配分として考えます。
安全や健康への配慮も「本人の希望どおりにするだけ」ではありません
妊娠中の本人が従来どおり働きたいと希望していても、客観的に見て体調が悪く、業務量や業務内容の変更を打診する必要がある場合があります。業務上の必要性や安全配慮に基づいた調整は、本人の意向を無視して嫌がらせをすることとは区別します。
反対に、「妊娠した人には重要な仕事は無理だろう」と本人の状態を確認せず、一律に仕事から外すことが適切とは限りません。法令上必要な措置、安全配慮、本人の状態や希望、業務上の必要性を踏まえて調整します。
育児だけでなく介護も対象です
育児休業だけが対象ではありません。介護休業や介護のための制度利用に関する嫌がらせも対象です。「介護は家族が何とかすればいい」「介護休業を取る人には仕事を任せられない」など、制度利用を妨げたり就業環境を害したりする言動には注意が必要です。
ケースA:制度利用の時期について相談
繁忙期と育児休業の開始希望日が重なるため、上司が「取得をやめてほしい」ではなく、「制度を利用することを前提に、可能であれば引継ぎ日程を相談したい」と本人へ話した。
考え方:業務上必要な調整について、制度利用を強要してあきらめさせることなく相談すること自体がハラスメントになるわけではありません。
ケースB:制度利用を理由に非難
男性社員が育児休業を申し出たところ、上司が「男が休むなんて非常識だ。評価に響くと思え」と発言した。
考え方:制度利用を妨げる言動や不利益を示唆する言動として問題になります。
復習問題
Q1. 「ハラスメント」と「不利益取扱い」の区別として正しいものはどれですか。
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正解:1
事業主が制度利用等を理由に解雇・降格等をすることは、禁止される不利益取扱いとして整理されます。
Q2. 育児休業を希望する社員へ、業務上の必要性から日程について相談する行為について正しいものはどれですか。
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正解:2
業務上の必要性から相談することまで一律にハラスメントになるわけではありません。制度利用を妨げる強要や嫌がらせとは区別します。
Q3. 次のうち、対象となる制度について誤っている説明はどれですか。
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正解:4
育児・介護休業等については男女労働者が対象です。
5. カスタマーハラスメントへの対応
2026年10月1日から事業主の防止措置が義務化
2026年8月9日時点では施行前ですが、2026年10月1日から、カスタマーハラスメントを防止するための雇用管理上の措置を講じることが、すべての事業主に義務付けられます。本検定では、施行日と指針が確定しているため、この改正内容も学習範囲に含めます。
カスタマーハラスメントは接客業だけの問題ではありません。対象となる「顧客等」には、商品・サービスの利用者だけでなく、取引先の担当者、契約交渉の相手、駅・病院・学校・公共施設などの施設利用者やその家族、事業に関する問い合わせをする人、今後サービスを利用する可能性がある人、施設の近隣住民なども含まれます。
カスタマーハラスメントは3つの要素で考えます
職場のカスタマーハラスメントは、①顧客等の言動であること、②労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えた言動であること、③その言動によって労働者の就業環境が害されること、という3つの要素をすべて満たすものとされています。電話、メール、SNSなどインターネット上で行われる言動も対象になり得ます。
「要求内容」と「要求の手段・態様」を分けて考える
カスタマーハラスメントを考えるときは、何を要求しているのかと、どのような方法で要求しているのかを分けて考えることが重要です。要求内容に理由がなく、サービスと無関係な要求や著しく過大な要求であれば、それ自体が社会通念上許容される範囲を超える場合があります。
反対に、商品に不具合があり返金を求めるなど、要求内容には理由があったとしても、暴行、脅迫、侮辱、土下座の強要、長時間の居座りなど、手段や態様が社会通念上許容される範囲を超える場合があります。内容か方法のどちらか一方だけが許容範囲を超える場合でも、カスハラに該当し得ます。
要求内容が問題となる例
商品・サービスとまったく関係のない要求、契約で想定しているサービスを著しく超える要求、対応不可能な要求、不当な損害賠償要求など。
手段・態様が問題となる例
暴行・傷害、脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の強要、威圧的な言動、継続的・執拗な言動、不退去・居座りなどの拘束的な言動。
顧客からの苦情すべてがカスハラではありません
会社側のミスや商品・サービスの問題について、顧客が説明、修理、返金などを求めること自体は正当な苦情・要望となり得ます。顧客が強い不満を表明したという理由だけで直ちにカスハラと決めつけてはいけません。何が起きたのか、企業側や従業員側に不適切な対応がなかったか、要求内容や要求方法がどの程度かなどを確認します。
企業側にミスがあった場合は、そのミスへの謝罪や是正が必要になることがあります。しかし、企業側にミスがあったという理由で、暴行、脅迫、人格否定、土下座の強要など、社会通念上許容される範囲を超える手段まで受け入れなければならないわけではありません。「企業側の問題を是正すること」と「従業員をカスハラから守ること」は両立させて考えます。
また、障害のある人が不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁を取り除くための合理的配慮が必要だと伝えること自体は、カスハラではありません。カスハラ対策を理由に、消費者の正当な権利や障害のある人への合理的配慮を軽視してはいけません。
従業員個人の我慢に任せない
「接客業だから怒鳴られるくらい我慢しなければならない」「ベテランなら一人で対応できるはず」と考えるのではなく、組織として対応できる仕組みをつくります。どの程度の言動なら管理者へ引き継ぐか、どのように記録するか、危険な言動があった場合はどうするかなどをあらかじめ決めておきます。
2026年10月1日から事業主に求められる主な措置
- カスハラには毅然と対応し、労働者を保護する方針を明確にして周知する
- どのような場合に管理者へ引き継ぐかなど、あらかじめ対処内容を決めて周知する
- 可能な限り一人で対応させないなど、実際に従業員を保護できる体制を整える
- 犯罪に該当し得る言動では、必要に応じて警察への通報を行う
- 相談窓口を定め、相談へ適切に対応できるようにする
- 発生後は事実関係を迅速かつ正確に確認する
- 被害を受けた労働者へ必要な配慮を行う
- 再発防止策を講じる
- 特に悪質な事案へどのように対処するかをあらかじめ定め、実行できる体制をつくる
- 相談者等のプライバシーを保護し、相談を理由とする不利益取扱いをしない
自社の社員が他社の社員へカスハラをしないことも重要
自社が被害を受ける場合だけを考えるのではありません。自社の労働者が取引先など他社の労働者に対してカスハラを行わないよう、研修や方針の周知などを行うことも重要です。カスハラに関して他の事業主から事実確認等に必要な協力を求められた場合、事業主には協力するよう努めることが求められています。
ケースA:正当な苦情
購入した商品が初期不良だったため、顧客が通常の口調で交換を求め、購入記録を提示した。
考え方:苦情や要求があること自体でカスハラにはなりません。会社側は内容を確認し、必要な対応を行います。
ケースB:要求内容には理由があるが、手段が問題
商品不良について返金を求めること自体には理由があるが、担当者へ数時間にわたり人格を否定する暴言を続け、土下座を要求した。
考え方:要求自体に理由があっても、手段・態様が社会通念上許容される範囲を超える場合があります。
ケースC:SNSへの投稿
顧客が「対応が改善されなければ、この事実をSNSに投稿する」と伝えた。
考え方:SNSへの投稿に言及しただけで直ちにカスハラと決めることはできません。虚偽の投稿や不当な要求を通すための脅迫的な言動なのか、正当な意見表明なのかなど、内容・目的・態様を確認します。
復習問題
Q1. 2026年10月1日からのカスタマーハラスメント対策について、正しいものはどれですか。
答えを見る
正解:2
2026年10月1日から、すべての事業主にカスタマーハラスメント防止措置が義務付けられます。
Q2. 正当な苦情とカスハラの関係について、正しいものはどれですか。
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正解:3
正当な苦情までカスハラとして扱ってはいけません。一方、要求内容に理由があっても、暴力や著しい暴言など手段・態様が許容範囲を超える場合があります。
Q3. カスハラ対策として誤っているものはどれですか。
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正解:1
従業員個人へ抱え込ませるのではなく、引継ぎや安全確保を含めて組織として対応できる体制が必要です。
6. 相談対応とハラスメントを防ぐ職場づくり
相談を受けた人の役割は「その場で判決を出すこと」ではありません
相談を受けたときに大切なのは、相談者の話を聞いた直後に「それはハラスメントです」「その程度はハラスメントではありません」と結論を出すことではありません。何が起きたのかを整理し、緊急性や安全上の問題を確認し、必要な担当者や正式な相談窓口につなぐことが基本です。
相談対応は順序を意識して進めます
相談対応では、担当者が最初から法律上の結論を出すのではなく、まず相談者の話を丁寧に聞き、現在の安全や心身の状況を確認します。その後、相談者の意向を確認しながら、会社の相談手続に沿って必要な事実確認や対応へ進めます。
- 相談を受ける:相談者が話したいことを遮らず、まず内容を聞く
- 状況を整理する:誰が、いつ、どこで、何をしたかを確認する
- 安全・心身の状態を確認する:暴力のおそれや深刻な体調悪化など、緊急対応が必要か確認する
- 相談者の意向を確認する:何に困り、現時点でどのような解決を望んでいるか確認する
- 必要な事実確認を行う:会社の手続に沿い、行為者とされる人や関係者、記録などを確認する
- 必要な措置を行う:被害者への配慮、行為者への対応、業務上の調整などを検討する
- 再発防止を行う:研修、ルール、相談体制、職場環境などを見直す
実際には事案の緊急性や会社の体制によって順序が前後することもあります。この流れは「必ず機械的に7段階で進める」という意味ではなく、相談を受けた後に何を確認し、何につなげるのかを理解するための基本的な整理です。
最初に確認したい内容
相談者は不安や緊張によって、出来事を順番どおり説明できないこともあります。途中で責めたり、望む答えへ誘導したりせず、必要な事項を一つずつ整理します。
- 誰から、どのような言動を受けたのか
- いつ、どこで起きたのか
- 一回だけなのか、繰り返されているのか
- メール、チャット、録音、メモなど確認できる記録があるか
- 現在の心身や仕事への影響はどうか
- 暴力、脅迫、自傷のおそれなど、緊急の安全確保が必要か
- 相談者は現時点でどのような対応を望んでいるか
相談者を責めない
「あなたにも原因がある」「気にしすぎ」「そのくらい我慢した方がいい」と相談者へ責任を押しつけたり、相談を抑え込んだりする対応は避けます。相談者の説明だけで行為者を断定することはしませんが、だからといって相談者の苦痛を軽視してよいわけでもありません。
秘密保持と事実確認を両立させる
相談内容は、必要のない人へ広めないようプライバシーに配慮します。相談者にとって、相談した事実や内容が職場中に広まらないことは非常に重要です。
一方、会社が事実関係を確認し、問題を解決するためには、行為者とされる人や関係者へ必要な範囲で事情を確認する場合があります。したがって、相談受付時には「秘密を守って対応すること」と「解決のために必要な範囲で事実確認を行う場合があること」を説明し、相談者の意向を確認しながら進めます。
事実確認は公平に行う
相談者の話を聞いた後は、必要に応じて行為者とされる人、周囲の関係者、メールやチャットなどの記録を確認します。「相談があったから行為者は加害者に決まっている」と考えるのでも、「行為者が否定したから何もなかった」と終わらせるのでもなく、双方の説明や客観的資料を整理します。
安全確保は事実確認の完了を待たない場合があります
暴力や脅迫のおそれがある、相談者の心身に重大な影響が出ているなど、緊急性が高い場合には、最終的な事実認定が終わるまで何もできないとは限りません。接触を避ける、勤務場所を調整する、必要な医療や専門相談へつなぐなど、状況に応じた暫定的な配慮を検討します。
相談や調査協力を理由とする不利益取扱いをしない
ハラスメントについて相談したことや、事実関係の確認に協力して事実を述べたことを理由に、解雇、降格などの不利益な取扱いをしてはいけません。「相談したら職場に居づらくなる」と感じる環境では、問題が表面化せず、深刻化しやすくなります。
相談後の対応
事実が確認された場合は、就業規則等に基づいて行為者へ適切な対応を行い、被害を受けた人へ必要な配慮をします。また、問題を個人間のトラブルとして終わらせず、同じことが起きないための再発防止を行います。
- 方針や就業規則の周知が不足していなかったか確認する
- 管理職や従業員への研修内容を見直す
- 相談窓口が実際に利用しやすいか確認する
- 業務量、人員配置、指示系統など職場環境に問題がなかったか検討する
- 被害者と行為者を必要なく同席させるなど、二次被害につながる運用がないか確認する
- 相談内容が必要以上に広がらないよう情報管理を見直す
周囲で見聞きした人にもできることがあります
自分が直接被害を受けていなくても、暴言や嫌がらせを見聞きした場合には、職場のルールに従って管理者や相談窓口へ報告する、被害を受けた人へ相談先を伝えるなどの行動ができます。一方、自分だけの判断で噂を広げたり、SNSへ公開したりすると、プライバシー侵害や事実確認の妨げにつながることがあります。
ハラスメントを防ぐ職場は「何も言えない職場」ではありません
ハラスメントを恐れて指導や注意を一切しない職場が良い職場というわけではありません。必要な指導は具体的かつ適切に行い、問題があれば相談でき、相談後も安心して働ける仕組みをつくることが重要です。互いに遠慮して何も言わないのではなく、人格を尊重しながら仕事上必要なコミュニケーションを取れる職場を目指します。
避けたい相談対応
「その上司は昔からそういう人だから」「あなたも言い返せばよかった」「証拠がないなら何もできない」と、その場で相談を終わらせる。
基本となる相談対応
まず出来事や現在の状況を整理し、相談者の安全や心身に配慮しながら、必要な担当者へつなぎ、事実確認と対応を進める。
復習問題
Q1. ハラスメント相談を最初に受けたときの対応として、正しいものはどれですか。
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正解:3
相談者を責めたり、最初から結論を出したりせず、事実関係・影響・希望・緊急性などを整理します。
Q2. 相談内容の秘密について、正しい考え方はどれですか。
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正解:3
不要な拡散は避けますが、適切な事実確認・対応には必要な範囲での情報共有が必要になる場合があります。
Q3. 相談後の対応として誤っているものはどれですか。
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正解:2
相談したことや事実確認への協力を理由として、不利益な取扱いをしてはいけません。
試験前の確認ポイント
本検定では、用語の暗記だけではなく、具体的な状況を読んで「何を確認して判断するのか」「職場としてどう対応するのか」を考える問題も出題します。次の内容を自分の言葉で説明できるか確認しましょう。
パワハラ
3要素をすべて満たすこと、適正な指導と区別すること、6類型が代表例であることを理解できるか。
セクハラ
対価型・環境型、同性間、性的指向・性自認にかかわらない性的言動を理解できるか。
妊娠・育児・介護
上司・同僚によるハラスメントと、事業主による不利益取扱いを分けて考えられるか。
カスハラ
正当な苦情と区別し、要求内容と手段・態様、3要素、2026年10月からの防止措置を理解できるか。
求職者等セクハラ
採用面接、社員訪問、インターンシップ等も2026年10月から防止措置の対象となることを理解できるか。
相談対応
決めつけずに聞き、プライバシー、不利益取扱いの禁止、事実確認、被害者への配慮、再発防止を考えられるか。
注意事項
本ページは、職場におけるハラスメント予防の基礎知識を学ぶためのページです。個別事案について、ハラスメント該当性、違法性、懲戒処分の妥当性、損害賠償責任などを判定するものではありません。
実際に問題が起きている場合は、勤務先の相談窓口、人事・労務担当者、労働組合、都道府県労働局など、状況に応じた相談先を利用してください。法的な判断が必要な場合は、弁護士などの専門家への相談も検討してください。
参考資料
本学習ページは、2026年8月9日時点で公開されている厚生労働省の法令・指針・解説資料および2026年7月更新の「事業主が講ずべきハラスメント対策」パンフレットを参考に作成しています。特に、2026年10月1日に施行されるカスタマーハラスメント対策および求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策の義務化を反映しています。
最終更新:2026年8月9日(2026年10月1日施行予定の改正内容を含む)
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